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20159/30

作品紹介 / 田中長徳『ブロードウエイの黒いビル』

▼PHOTOMENTARY チョートクカメラ日記より転載

リトアニア出身の映画作家ジョナスメカスは1,950年代初めにニューヨークに上陸してそのままマンハッタンの住人になった。

60年代にビレッジボイスでムービージャーナルを連載してアンディーウオーホールなど当時のトップアーティストに注目された。

メカスは最初はウィーンに留学する予定であったのだ。それが運命のいたずらでマンハッタンに行ってしまった。これは彼にとって幸運なことだったと思う。
ウイーンは極めてローカルな街であるから地元の有名人にはなれるが、国際的なアーティストにはなれない。

1970年の半ばにメカスのレトロスペクティブの映画祭がウイーンで開催された。今それを上映しているアルベルティーナ美術館も階段の所が揺れながら写っていた。会場に拍手が起こった。爆笑の意味はよくニューヨークに行って良かったと言うユーモアを伴った笑いなのである

メカスの自伝的映画ではブロードウェイの自分のアパートメントから撮った向かい側の真っ黒なビルディングがよく登場する。
私はそのフィルムを繰り返し見た。つまりメカスはその真っ黒なアパートメントの向かい側に住んでいるわけだ。
マンハッタン滞在の最後の日、11月初旬の金曜日の夕方にブロードウェイとグリーンストリートの角でかのメカスに遭遇したのである。

彼はショッピングバックを下げて店からアパートに戻るところだった。そこで立ち話をした。その2ヶ月後に東京のミュージアムでメカスの回顧展が開かれた時にメカスは会場に現れ、ますの私に向かってきて握手をした。
主催者には迷惑な話であろうが、彼の記憶の中に私の風貌が深く刻まれていたのは確かだろう。

Island Galleryの展覧会で、この作品を購入してくれたコレクターはその場で私にiPad miniでその全く同じ真っ黒なビルディングの写真を見せてくれた。それはバスから見上げて撮影した写真で、夕日がビルに反射していた。

田中長徳×島尾伸三 / TALK LIVE
田中長徳×島尾伸三 / TALK LIVE

会  場 Island Gallery
     東京都中央区京橋1-5-5 B1
会  期 10月2日[金] 15時スタート
入場無料 参加自由


田中長徳写真展『New York 1983 / 8×10』
会  期 9月19日[土]-10月2日[金] open 11:00-19:00
入場無料 会期中無休
会  場 Island Gallery
     東京都中央区京橋1-5-5 B1 tel / 03-3517-2125
入場無料 会期中無休
協  賛 マルマン株式会社 Canson Infinity

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