2019.06.20

作品紹介 / 柴田 祥『カタルシス』

ETC

長く取り組んできて、ついに形として残せることにカタルシスを感じるも、浄化を経て表れた色は黒。 / 柴田 祥

作品に添えられたキャプションにあるように『津軽再考』をテーマとして二回の個展と、更に写真集『津軽再考』(道音舎)からリリースされたことにより、一連の流れはこれで一旦終了するようだ。

自分の生まれ育った故郷と真摯に向き合い、ストイックなまでに研ぎ澄まされた感覚で撮影されたカットには、どれも澱みがない。そしてこのテーマの流れの最後に選んでいる作品がこの『カタルシス』だ。
黒を基調に画面中央付近には白いオブジェのようなものが見て取れるが、これはぶどう畑の支柱だ。よく見ると、十字架が並んでいるようにも見える。何とも示唆的な作品だ。
そんな想いが沸き起こるのは、この作品を仕上げるテクニックにも起因するのかもしれない。ここでは簡単な説明に留めるが、黒と白、或いはポジとネガを反転させているのだ。
こうなるともうアート写真と言うよりも、ファインアートの領域になる。

今展で私が心に響いたうちの一枚となった。 / Hideo Ishijima

土日には終日作家在廊しています。随時ギャラリートークも開催されますので、ぜひ直にオリジナル作品と、作家の想いなどに耳を傾けてほしい。会期は23日(日)まで。

柴田 祥 写真展 / 津軽再考(再構)
会  期 2019年6月14日[金]-23日[日] / 19日[水] 休廊
入場無料 open 11:00-19:00
会  場 Island Gallery
     東京都中央区京橋1-5-5 B1
     phone / 03-3517-2125
協  賛 マルマン株式会社 Canson Infinity


作家在廊日
作家在廊中は随時ギャラリートークを行います。
15日(土)・16日(日)・22日(土)・23日(日)

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