2017.09.23

作品紹介 / 柴田 祥『カルマ』

ETC

柴田祥写真展『津軽再考』もいよいよ明日24日までとなりました。展示作品の中から、三たび、わたしのお気に入りの作品を紹介させていただきます。
 
『カルマ』は、雪原の向こうに立つ煙突の煙と雲の切れ間から射す光を捉えた1枚。今展示の大きな比重を占める雪景色の作品の中で、雪は白く、風景はその上に黒からグレーで描き出されています。しかしこの『カルマ』は、雪はほとんど黒からグレーで表現され、雪原の凹凸や雲間の光がその上に白で描き出された、いわば図と地のトーンが反転した作品です。真っ黒な雪景色、という意表をつく風景にはじめはどきりとさせられますが、近寄ってよく鑑賞すると、作品の持つグレーのトーンの豊富さ、精緻な銅版画のようなやわらかな叙情性に引き込まれます。
 
23日、24日は作家が青森から来廊。作品について、作家の目から見た『津軽』について、直接言葉を交わせる今展示最後の機会となっています。作家独特の黒のうつくしさ、雪や光の質感を、ぜひオリジナルプリントにてお楽しみくださいませ。 / 水絵

柴田 祥 写真展 / 津軽再考
会  期 2017年9月16日[土]-24日[日] open 11:00-19:00
入場無料 会期中無休
会  場 Island Gallery
     東京都中央区京橋1-5-5 B1
     phone / 03-3517-2125
協  賛 マルマン株式会社 Canson Infinity


作家在廊日
9月16日(土)・17日(日)・18日(月)・23日(土)・24日(日)

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