作品紹介 / 柴田祥『ともしび』
こんにちは。Island Galleryスタッフの理恵です。ひと雨ごとに秋の気配が深まり、陽射しもやわらかくなりました。芸術の秋の到来です。只今、柴田 祥 写真展「視界不良」を開催しております。本日は展示作品より『ともしび』をご紹介します。
『暗いと不平を言うよりも、すすんであかりをつけてもまだ暗いと不平を言う人がいるのが今の世の中。一度きりの人生を一本のろうそくに見立てたりすることがあるが、太く短くを体現している(いた)人たちのように振り切れた人間に憧れを抱くも波瀾万丈に耐えきれない人間なのは自分がよくわかっている。』/ 柴田 祥
風景作品の中で異質な魅力を放つこの作品は、弘前市相馬地区で真冬に行われる奇才「ろうそく祭り」で撮影されました。沢山の人達の願いがこめられたろうそくは一晩中灯され、そのろうそくの溶けた形を見て、作物の豊凶や願い事が占われるそうです。
人はもっと明るくなれもっと明るくなれと願いながら暗闇に身を置くことにも安心している矛盾の中に生きていて、自分のそんな一人かもしれない。作品の中の灯りをみつめながらそんなことを思いました。決して闇が濃くなるようなどす黒い感覚ではなく、闇の中にあるからこそ小さい光がとても有り難く感じることができる。そんな温かささえ感じるのが不思議です。
柴田氏の写真と言葉には深い精神性のようなものが流れ、ふとその中に自分自身を投影していることに気がつくのです。それはひとつひとつの作品が柴田氏にとってただただその風景の中に自分がいたという存在証明であり、自分の在り方を確認していく作業なのかもしれません。
是非、その魅力をギャラリーで感じでいただけたらと思います。
皆様のご来廊をお待ちしております。
柴田 祥 写真展 / 視界不良
会 期 2018年9月15日[土]-24日[月] open 11:00-19:00
入場無料 火曜日休廊
会 場 Island Gallery
東京都中央区京橋1-5-5 B1
phone / 03-3517-2125
協 賛 マルマン株式会社 Canson Infinity
作家在廊日
9月15日(土)・16日(日)・17日(月)
9月22日(土)・23日(日)・24日(月)