2011.08.23

ゲスト写真家 山本謙治 / この食を、未来へ繋ぐ。

EXHIBITION, PAST EXHIBITON

この食を、未来へ繋ぐ。

~岩手県・三陸と北部の食べものと人、生きものたち~

 
 岩手は、一県で四国全域とほぼ同じ面積を持つ広大な県です。山・川・海の全てがあり、県内の食文化は驚くほどに多様です。そして、全国に誇る素晴らしい食材と、高い志と技術を持った生産者がいます。これまで私は、岩手の北部と三陸に深い縁を持ち、たびたび訪れてきました。
 3.11の東日本大震災は岩手の三陸沿岸部を中心に、物心両面に渡って大きな被害をもたらしました。電話もつながらず、ニュースをみても現地の様子がわからない中、私が想い続けたのは漠然とした岩手ではありません。関わり合った生産者さん、放牧されている短角和牛たち、そして海中で秘やかに息づいている貝や魚たち。彼らは無事でいるのだろうか。幸いなことに私が知る生産者さん達はほぼ無事、牛たちも無事でした。
 しかし、津波によって海の養殖棚は流され、港湾設備も壊滅し、日本が世界に誇る三陸の水産業は大変な状況です。日本有数といってよい食品・調味料メーカーの蔵や工場もたくさん、流されました。
 そんな岩手に対して、県外にいる私たちが出来ることは何か。いちばん大事なことは“忘れない”ことだと思います。岩手が生み出してきた素晴らしい食と、それを支える人達のことをずっと忘れず、求め続ける。その意思表示こそが、復興への大きな原動力になるはずです。
 この写真展では岩手に存在する(または存在した)、未来に繋いでいきたい食の風景を展示します。近い未来、ぜひこれらの風景に逢いに行けますように。

山本謙治

 

会  期 | 8月24日(水)~30日(火)
開館時間 | 9:00-16:30 (火曜は16:00閉館・入館は閉館の30分前まで)
会  場 | 明治神宮文化館宝物展示室
施設維持協力金 | 500円
 
 
■■
■ミュージアムトーク / 明治神宮文化館宝物展示室
 
~Nikon Imaging Presents~
+8月27日(土) 14:00~15:00
+8月28日(日) 14:00~15:00

施設維持協力金 | 500円
  
※予約不要 40席ほど椅子をご用意します。立ち見可。

 
  
■プロフィール
山本謙治 | Kenji Yamamoto
1971年生まれ
三度の飯より食べることが好き。高校生在学時から農業に興味を持ち、大学で畑を拓き野菜を栽培する。現在、岩手県に4頭の短角和牛を所有している。全国の農林水産業の現場を巡り、販売や商品開発の支援をしている。同時に、郷土の食材や料理を撮影し、ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」や雑誌連載で紹介している。

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