2017.09.20
作品紹介 / 柴田 祥『故郷』
こんにちは。Island Galleryスタッフの水絵です。柴田祥写真展『津軽再考』は本日5日目。展示作品の中から、私のお気に入りの作品をもう一度紹介させていただきます。
『故郷』は、雪原の中に立つ1本の樹を捉えた1枚。画面はほとんど雪に覆われて、白い背景に家並がかすかに見えています。そこがなんという場所なのか、一見しただけではわかりません。けれど、キャプションの文章や、作品の背景を知らないまま鑑賞していても、どこか懐かしいような、あたたかいような印象を覚えます。実はこの作品、展示作品の中で唯一、作家のふるさとである旧南津軽郡碇ヶ関村の風景を写しています。「津軽」を捉えた今展示は、作家にとってただ「ある地域の風土記」に留まるものではなく、「故郷の風景」を捉えたものである、ということが伝わってくる素敵な1枚です。
白と黒で描き出される津軽の冬の鮮烈さも今展示の魅力ですが、雪の上に浮かぶ淡い影の階調や、雪を纏って花を咲かせたように見える木々の枝ぶりのうつくしさは、オリジナルプリントで目にすると、息を飲むような繊細さです。ぜひ、ギャラリーでじっくりお楽しみいただければと思います。皆様のご来廊をお待ちしております。
柴田 祥 写真展 / 津軽再考
会 期 2017年9月16日[土]-24日[日] open 11:00-19:00
入場無料 会期中無休
会 場 Island Gallery
東京都中央区京橋1-5-5 B1
phone / 03-3517-2125
協 賛 マルマン株式会社 Canson Infinity
作家在廊日
9月16日(土)・17日(日)・18日(月)・23日(土)・24日(日)